2016年10月2日、世界に激震が走る。
道重さゆみ、モーニング娘。卒業以来約2年ぶりに、突然ブログ更新。
さゆ!!
ちゃゆ!!!
ちゃゆうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!
眠り姫ちゅゆが目覚めたぞおぉぉぉぉ!!!!!!!!!!
おはよう、ちゃゆ。
よく眠れた?
今日も可愛いですね!
うさちゃんピーーーーース!!!!!
忘れもしない、モーニング娘。さゆの最後の日。2014年11月26日。
あの日のさゆは、世界中の誰よりも可愛くて、美しくて、いっぱい笑わせてくれて、いっぱい泣かせてくれた。
その翌日のブログで「道重終了 今日で燃え尽きました。」と「道重再生 また、いつの日か…。」の言葉を残し、さゆは私たちの前から姿を消した。
卒業後に何をするのか、具体的な進路を語ることも夢を語ることもしなかったさゆ。
ただひたすらに最後の一瞬まで、モーニング娘。リーダーとして、道重さゆみとして、生命を削るような懸命さで笑顔を振りまいてくれた。
どうしてそこまでするの、って尋ねられたら「モーニング娘。が好きだから」。
ただその気持ちだけで、さゆは頑張り続けていた。
そんなさゆが12年間のアイドル生活の後に長いお休みを求めたとて、私たちは誰も責める気になんてならなかった。
足りないモノは 手をつないだり 一般的な 恋したい
世間並みの幸せなんぞ 夢見ちゃう
足りないモノは たくさんあるの カワイクたって あるのよ
明日の朝は お昼ごろまで 寝ていたい
< ラララのピピピ / 道重さゆみ >
だけど、待ち焦がれた。
後輩の新しい仕事が決まる度に、誰かの卒業が決まる度に、私たちはさゆの声を求めた。
そして、不安になった。
さゆはもしかして、もう二度と私たちの前に現れないの?
さゆはもしかして、歌ったり踊ったり、大勢の人に可愛いって言われることが、嫌になっちゃったの?
東京でえりりんと毎日遊んだり、普通の女の子の生活を満喫してるの?
故郷の山口に帰って、失われた青春時代をのんびりと取り戻してるの?
もしかして、卒業前にあんなに痩せてしまっていたのは重大な病気だったんじゃないだろうかとか、不吉な話だけどもうこの世にはいないんじゃないだろうかとか、私たちはさゆを心配し、さゆがどこかで元気に笑っていてくれるならそれでいい、なんて考えてしまうこともあった。
時折、後輩やハロプロメンバー、娘。OGのブログに話が登場すると、それだけでほっとする思いだった。
最後のブログが更新されて約2年弱。その2年の間に、モーニング娘。'14はモーニング娘。'15を経てモーニング娘。'16となった。ハロー!プロジェクトで現役のさゆと活動していない後輩も大勢出てきた。若い人や女性の新しいファンが増え、6期の落ちこぼれだったさゆのことを知らないままに、道重さゆみは伝説のリーダーとして神話のように語り継がれる存在になっていた。
さゆは27歳になった。
そして私ももうすぐ、27歳になる。さゆ卒コンの日ですら決断できずに迷っていた仕事を辞め、引っ越したり、旅に出たり、新しい仕事に就いたり、趣味を増やしたりして、さゆの居ない2年間を過ごした。
同い年として、さゆが憧れだった。
いつも可愛くって、美しくって、話は魅力的で、辛いことも投げ出さずに向き合って、限界まで頑張り通し、可愛い道重さゆみをやりきる姿に励まされていた。
さゆみたいになりたい。
憧れから、髪を伸ばしてポニーテールにしてみたり、ピンクを身に着けてみたこともあった。
だけど、駄目だった。私はさゆにはなれなかった。
さゆは、さゆにしか、できない。
さゆを見せてくれるのは、さゆしかいないんだってことを、居なくなってからひしひしと感じた。
そしていつのまにか、私は娘。現場を離れていた。離れようとはっきり決めた訳でもなかったけれど、なんとなく単独公演に参戦する気になれず、推しは他のグループに増えていった。
勿論、9期以降のメンバーも応援している。モーニング娘。'16も応援している。
だけど、6期の最後の一人、道重さゆみがモーニング娘。じゃなくなったあの日。
私の中のモーニング娘。の物語は、一旦終わってしまっていたんだと思う。
私はまた、さゆに会いたい。
天性の華を持ったアイドルを、もう一度見たい。
平成に生まれたリーダーとして、世の女性を率いてほしい。
そして、その笑顔で私たちを元気づけ、勇気づけ、励まし、慰め、どんな時も心の支えにさせてほしい。
だって、さゆに会えば、笑顔になれるから。
一歩ずつ大切に歩んでいくことの価値を、教えてくれるから。
毎日を頑張って生きていくための力を、さゆはくれるから。
だから、ちゃゆ。
今回の更新が何かのお仕事の前触れだとしても。
ネットパトロール中のたんなる気まぐれだとしても。
結婚のお知らせだとしても。
髪の色や髪型や服の趣味が変わってしまっていたとしても。
理由も、外見も、そんなのどうでもいいんだ。
私は、世界は、道重さゆみを待っているからね。
どうかまた、長いまどろみの果てに、この世界に帰ってきてね。
結局道重さゆみがいないと、私って満足できないんだってことに気付いてしまったから。それも全部さゆの計算通りかな?それでもいい。またさゆに会いたいよ。
だから、もしも復活するその時は、何を置いても、道重一筋。何処までだって駆けつける。一言一句に翻弄されて、ピンクのサイリウムを振って、大きな声で「さゆみー!」って呼ぶよ。
私たちの可愛い可愛い、眠り姫。
二度寝から覚める時を、信じて待っているからね。
またゆっくり…おやさゆみん。