雨の降らない星では愛せないだろう?

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彼がこの世に放った「た」

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私は、関ジャニ∞が大好きです。

関ジャニ∞の音楽が大好きです。

7人の歌う歌が大好きです。

横山さんが、すばるくんが、村上くんが、丸山さんが、安田くんが、亮ちゃんが、大倉くんが、奏でる楽器の音と、ハーモニーが大好きです。

 

 

私には、関ジャニ∞で1番好きな歌があります。

200曲余りある関ジャニ∞の全ての楽曲の中で、この曲が1番好きだとはっきり言える曲です。

 

1番は決められない性格の私なのに、この曲は特別だと言い切れる理由。

それは、全曲の全フレーズの中で、その曲のとある部分が、たまらなく好きだからです。 

その部分だけを巻き戻して繰り返し繰り返し聞いたこと、いくらでもあります。

何度聞いても飽きません。もう、ここだけ聞いていれば良いって思えるくらい好きです。

 

 

その曲は 『青春ノスタルジー』。

「好きじゃ足りなくて」。

特に、たった一文字、「た」のところ。

 

この「た」が、私は大好きです。

 

 

「す、き、じゃ、」と上がっていった先で、「じゃ」とその次の「た」は同じ音。

なのに、「じゃ」「た」の声色がぜんぜん違う。

「た」のところで、ふわっと笑みがこぼれるような。

優しくて、柔らかくて。

歌っている人の心が、笑っているような、泣いているような。

 

「す」の無声音はまだうつむいて、自分から出て行っていない音。

「き」は「好き」の2音目だから、小さく弱く。飲み込むように。

「じゃ」は歌。前に向けて、声になった。

そして、胸元にあった「す、き、じゃ」を、「た」でふっと遠くへ飛ばすように。解放するように。少しだけ響かせて。

「たりなくて」はすっと引きながら。だって「足りない」んだから。

「て」には諦めが聞こえる。分かっているのに、まだ分かっていない、嘆きが混じっている。また地に落ちそうになっている。

 

 

「好きじゃ足りなくて もっと困らせたくて わざと長めのキスをした」

 

これ、すばるくんのパートなんです。

私の特別は、自担とか7人全員のユニゾンとかじゃなくて、すばるくんの歌声なんです。

 

7人のアイドル。

誰の歌声も愛おしくてたまらないのに、それを全部抜き去るほど、歌手渋谷すばるのこのワンフレーズが、好きで、好きで、大好きで。

この歌声が私を導いてるって、思うんです。

この「た」のところで、曲と、声と、言葉と、心が、ぎゅっと集って、音楽というものをつかまえているような気がするんです。

 

 

すばるくんが夢を追うことを身勝手だと怒りたいです。

なんで置いていくんだって悲しくもなります。

だけどそんな時、彼の「た」を想うと、私は何も言えなくなる。

何もかもをゆるしてしまう。

 

理屈じゃなくて。

あの歌声に心を掴まれてしまったから。

 

音楽の神様が彼を連れて行くと言うのなら。 

どうか彼を高みにのぼらせてあげてくださいと、託してしまう。

 

彼が生まれながらに知っている何か。

天啓のようなもの。

渋谷すばるだけが持つギフト。

 

天賦の才を持つ男を愛してしまった馬鹿な女です。

 

レコーディングのその一瞬だけこの世に存在したはずの、奇跡のような、儚い歌声。

彼が歌った「た」が、私の宝物。

  

いつでも大事だけど、今はせつない、私の宝物。

 

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トピック「渋谷すばる」について