笠原桃奈さんがアンジュルムを飛び立っていくことが決まりました。
決まったというより、公にされたのが今という感じ。
誰から見ても、きっちりと整理を付けて卒業していくのだというのが理解できるような、かっこいい卒業発表です。
思慮深い彼女の魅力が詰まった、美しい文章です。
彼女たちの後ろに道は出来る
時を経て、今、すとんと落ちる言葉はあの時あやちょが言っていたことでした。
私たちはそのような環境の中で青春を過ごし成長していくのだと思います。
そう、きっと青春なのです。
今まで通りであればその後はそれぞれの人生へ。
そんな当たり前の?道すじに今でもやっぱり素直になれないのです。
私にはグループの先に見える「それぞれの人生」が時に辛く、物足りなさを感じます。
本気でやろうと思うほどわからなくなりました。そんな単純なことに頭を抱えていたのです。
それならば、
それぞれの人生で本気でやろうと思いました。
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あの時は、どうしてこんな冷たいんだろうと正直思いました。アンジュルムの在り様を、事実とはいえ突きつけている気がして。
そしてこれ以来「青春」のワードを警戒するようになったし、アンジュルムは”所詮”青春に”すぎない”のかと悩んだりもしました。
あやちょの言葉通りに次々に去っていくメンバー。一人、一人と居なくなり、新しく入ったメンバーがあっという間に育って立派にアンジュルムを務める。
惜しい。寂しい。ついていけない。一人一人に対するそんな気持ちは、今ももちろん完全には拭えません。
だけど、アンジュルムにとって、この目まぐるしさはむしろ自然なことなのだと今は腹に落ちるようになりました。
年単位どころか数ヶ月ごとにメンバー構成が変化したこの2年の激動が、ようやくアンジュルムを「そういうもの」として納得させてくれた気がします。
「らしい」です。アンジュルムらしさって、アンジュルムのメンバーたち自身が歩いてきた道、一人一人の決断の集合体なんだなって思います。
この子が居なくなったらアンジュルムはどうなるの。と、心配することはほとんど無いです。それが、アンジュルムヲタクとして誇りの一つでもあります。
賑やかさが減るだろう。ダンスの特攻隊長が居なくなって戦力が落ちるだろう。決めどころをいつも決めていた歌声がパワーダウンするだろう。その部分を担っていたメンバーを高く評価するあまりに、そんな予想を立ててしまうこともあります。
けど、実際。ステージを見てしまうとそんなこと微塵も思わないんですよね。思えないです。
誰かの穴を代理で埋めるのではなく、違う色の輝きで。放つ光の多彩さで。形を変えた反射で。楽曲は、いつも新しく生まれ直す。どの歌割の受け継ぎも、全てエモになる。
アンジュルムは強い。いつも思う。変化が速いからこそ、完成も早い。
いつでも最強でいられるって、無敵だ。
これが、グループの経験値なのだと思います。
例えば、めいめいが卒業して、桃奈が入って、あいあいがお休みしていたあの頃とか、今考えても少し大変そうな時期だった。でも、こういうちょっとしたピンチをチャンスに変えるのだと、メンバー達は掴んだのでしょう。
そうして、いつでも変化上等なグループになった。
続けるから得た、スマイレージからの底力だ。
アンジュルムが変わっていくことは、きっと良くも悪くも表裏一体。
交差点の度に別れを繰り返すことと引き換えに、強さを手に入れているグループなんでしょう。
というわけで、アンジュルムについてはなんにも心配してません。
桃奈がリーダーになる未来しか考えてなかったけど、そうじゃない未来もきっと強いじゃない。
こんな、卒業発表も面白いグループだし。
大型犬の夢と目覚め
桃奈について。
「この子がリーダーになって活躍するところを見届ける!それまでアンジュルムずっと追いかける!」
と。心から思っていました。
まだ自分の輪郭すら薄ぼんやりとしか掴めていないような幼い子だった桃奈が、まずはダンスでめきめきと頭角を現し、徐々に自我を確立し、そして「笠原桃奈のパフォーマンス」を鮮烈に放つようになる様をリアルタイムで追うことができて、幸せでした。
今だからそう思う訳じゃなく、いつもそのように思ってたし、加入まもなくから遠い日に感慨に浸る自分を想像できていたし。ただ、その頃想定していたよりも旅立ちの日がだいぶ早かった。
アンジュルム『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』(Promotion Edit) - YouTube
桃奈が目指したいもの、たぶん、分かります。
そして、桃奈はそこに向かって突き進んでほしいです。
時代の潮流が味方してると思う。少し前でも、ちょっと後でもなく、今だからこそえいやっと跳ぶタイミングなんだと理解できて、わたしまで興奮しました。
活動期間、短いかな?若いうちの卒業、もったいないかな?でも、桃奈は存分にアンジュルムやり尽くしたと思う。
ずっとアンジュルムにいてももちろん伸びるし、愛されるし、存在が素晴らしいのは間違いないんだけど、桃奈が決めて進む道がなにより尊い。
心から応援します。
どうか、秋からアンジュルム単独ツアーが行えますように。
最後までステージを駆けまわって、めちゃくちゃに暴れてほしい。
わたしたちの桃奈。
そして、わたしたちだけのものじゃなくなる桃奈。
…なんて考えるけど、うん。桃奈は桃奈だけのものだ。
そのことを、桃奈自身もとっくに知ってると思います。
だからとにかく信じて、飛び立って。
大空は、今見えてるよりももっとずっと広く、希望も未来も全てそこにあるからね。
どこまでも、遠くへ。あなただけの目で、世界を見て。あなた自身の心で、想って。