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映画版『キャッツ』感想 ― 猫は犬にあらず、映画は舞台にあらず

色んな意味で話題作、映画『キャッツ』観てきました!

 

 

観たのは字幕版です。

吹替版も気になる~!お名前を見る限り良いキャストが多い!しかし訳詞まで心配するのが嫌だったので、まずは心配事の少ないはずの字幕版をチョイスしました。

 

映画をまだ観ていない、舞台のキャッツが好き、特に劇団四季のキャッツが好きな方へ!

正直、観ようか迷ってますよね?

素敵な思い出が台無しになるんじゃないかって、怖がってますよね?

うんうん、わたしも相当迷いましたが、空中ブランコで飛び降りる勢いで観に行きました。

ということで、四季のキャッツ好き目線での感想を書いていきます。

 

キャッツ観劇経験者による気になる映画と舞台の違いまとめ

◆舞台と映画の違いは? 

舞台→人間に語りかけてくるショー。

映画→1匹の猫を主人公とした起承転結がある物語。

(起…ジェリクルキャッツとの出会い、承…猫たちの自己紹介、転…試練と打開、結…ジェリクルの選択)

世の中に数多溢れるヤバい原作改変映画に比べれば、コロシテクレ…という程の大幅な変更はない。違和感なく話は進む。

舞台初見の人を劇場に連れて行く際に前知識として説明しがちな「ジェリクルキャッツとは~」「ストーリーはあまり展開せずオムニバス的な~」的な分かりにくい部分は、うまく映画内で補完されている。初めて見る人には舞台よりも優しいかも。

台詞は映画オリジナルのものが多い。

慣れた部分で手拍子や拍手がしたくなる。笑

 

◆音楽・歌は? 

音楽は大きく変わらない。ただ、曲によりアレンジがかなり大胆に新しくなっている。好みは分かれるかも。

ALWは神。それは不変。

映画用のテイラー・スウィフトの新曲『Beautiful Ghost』がわりと肝として扱われている。

役者はミュージカル歌唱じゃない人が多く、迫力は抑え目。

気になる人は、先にサントラ聞いて地雷じゃないか確認するといいかも。

ジェリクルソングズ・フォー・ジェリクルキャッツ

ジェリクルソングズ・フォー・ジェリクルキャッツ

  • キャスト (キャッツ)
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

  

◆ダンスは?

振り付けはジリアン・リンのものと別物。

このキャラクターがそんなダンスを?という驚き有り。

ダンス映画ではない。もっと踊ってくれ~とは正直思った。

 

◆キャラクターは?

存在する猫は、ウエストエンド版を元にしている…と思う。

見た目は、ほとんど別物。

性格も造形され直している。

長老にいたっては謎の性別変更。

思い入れによっては、解釈違いを起こすかも。

番手もかなり違う。

物語の筋に必要で、主要に取り上げられている猫はヴィクトリア(劇団四季のシラバブに近い役割)、ミストフェリーズ、グリザベラ、マキャヴィティ、オールドデュトロノミーあたり。

マンカストラップ、ラムタムタガーらへんの兄貴猫ファンはオーラの無さに泣くかもしれない。あとスリーガールズファンとグロールタイガーファンも一緒に泣いてくれ。

 

◆ゴキブリがやばいんでしょ?

うん、わりとそれはそう(深く首肯)

これはネタバレになるけど、昆虫食苦手な人は目を瞑ろう。

 

◆見た目気持ち悪いよね? 

うーん、あなたも最初に舞台のキャッツメイクを見た時はたまげたはずだ!きっと目が慣れてくれるはず!

舞台衣装のフサフサだらーん尻尾と違い、CGのおかげで尻尾が自立して動く。リアルで可愛いって思うか、動きすぎてきもいって思うか(触手っぽくはある…)、反応が分かれそうな気がする。

目の周り、鼻、口周りはもっとどうにかならんかったんかとは思う。ぶっちゃけヒト

 

◆「不浄なポルノ」「性欲を爆発させた毛皮のバケモノたち」「0~5点で評価するとしたら、玉ねぎかな」レビューはそんな評価なんでしょ? 

正直、騒がれすぎ。ネットのおもちゃにされてる。酷評大喜利に左右されるのは勿体ない!

カメラのカット割りにより視線が移動する、劇場(ゴミ捨て場)を飛び出し歌に合わせて空間を次々に移動する、それは映像ならではの見せ方

ロンドンの路上、ひんやりじっとりした夜の空気がスクリーン越しに伝わってくるだけでも一見の価値あり。

映画にした意味はちゃんとあるし、キャッツの良さを映画ならではの手法で引き出せている。舞台の良さとは違っているけど、切り刻まれてはいない。

 

…と、思います。

 

 

自己紹介 

今更ながら、大したことないけどわたしの自己紹介。 

出会い

DVD版『キャッツ』2006年頃

劇団四季キャッツ初観劇

横浜キャノン・キャッツ・シアター(2010年)から

劇団四季キャッツ観劇経験

2010横浜公演→2013静岡公演→2016~2018大阪公演→2019大井町公演

好きな場面

ジェニナンバー、ボール、グロールタイガー劇の全て、スキンブルナンバー(特別)、メモリーのシラバブ、カテコ

推し猫

ジェリーロラム=グリドルボーン♡

 

 

ヲタと言えない永遠のニワカです!

 

 

 

ネタバレ感想

映画を観ながら内心ツッコみまくってました。

Twitterで実況しながら観たら盛り上がるタイプの映画であることは確かです!!

応援上映は…どうだろうな…シンガロングもちょっとな…

 

それでは、ざっくりとネタバレ感想を書いていきます。 

 

 

 

~~~~~~以下ネタバレ~~~~~~ 

 

 

 

 

 オーバーチュア

 ・目ピカの表現 

 

ジェリクルソング

・ヴィク(新入り)に語りかけるという形で、観客役不要でも分かりやすい!

・靴無し

・一番テンション上がる「~~キャッツ♪~~キャッツ♪ → ダラララララララダラララララララ♪」の瞬間に割り込んでくるミスト何!?!?ってなった

(マ〜ジカルキャ〜ッツ!)

 

ネーミングオブキャッツ

・ヴィクの名前を問う流れからネームの語り出し、唐突感なし

・ヴィクを介して世界観への引き込みに成功してる

 

台詞

・「色々な生き方の猫をお目にかけよう(人間へ)」ではなくヴィクをあちこち連れ出していく

・「選ばれるために舞踏会で順に歌っていく」という形式を台詞で説明し、キャッツ初見、舞台でのキャッツに馴染んだ人に映画設定を周知

 

ジェニナンバー

・猫たちがジェニが居る家に行くの良い!

・妙にセクシーアピールキャラ…

・…セクシーが滑ってるおばさんというキャラ…?

・「なんで選ばれたいの?」「こんなところウンザリ!」えっ

・ネズミとゴキを更生させるのが生きがいなのでは…!?

・ネズミとゴキ食べちゃうんだ…!?

・ゴキ咀嚼音…きつい…

・なんだこの自己本位ジェニ…

 

タガーナンバー

・「みゃお」無かった…

・ミルクバー笑

・選ばれるのヴィク…!?ヴィク子猫でしょ…!?ヴィクも選ばれたいの…!?!?モテヒロイン映画…!?

 

グリザナンバー

・自分で歌うんかい

・存外、毛並み良いな…

・毛皮、あまり薄汚れてないな…

・気丈な感じ、ないな…

・せっかく「Rising Sun」の看板が見えてるのに字幕訳が拾えてないのもどかしい

・は、鼻水…?

・何故急に這いつくばった 

 

バストナンバー

・直接的に悪口を言うジェニ

・自分で歌うんかーい

・食い意地が張ってるというより、異常なまでに卑しい…

・残飯あさり実写高画質で観るのきつい…ポップコーン食べてる人大丈夫だった…?

・妙な下ネタというか股間ネタ……

 
マンペルナンバー

・旧曲

・アクロバットではなく家を荒らしていく

・まさかのヴィクも仲間入り

・3人での歌割り「アーンド」がヴィクなの良いアレンジ

・えっマンペル見捨てて行くの…!?

・ネックレス拘束エロい

・「探したよ」ミストとヴィクがラブの雰囲気

 

長老登場

・ランパスナンバーないんだね…(英断)

・グロールタイガー、まさかの手下化

・え、これ「原作知ってる人ならニヤッとするカメオ出演」的な…?!

・マキャに「見張っとけ」って命令されるようなグロールタイガー様なんて…

 

ジェリクルボール

・吐 息 ダ ン ス(衝撃)

・息づかいが妙な雰囲気すぎる

・「醜悪なポルノ映画」理解

・ヴィクのバレエ振り付け可愛い

 

ガスナンバー

・ファイヤーフローフィードル版

・【悲報】推し猫(ジェリロ)不在

・ガス本人がめっちゃ語る

  

◇スキンブルナンバー

・スキンブルシャンクス、まさかのフレディ・マーキュリー化

・曲が盛り上がって軌道に乗って楽しくなったところで突然ぶった切ってタップダンスはじまった時にはあんぐりと口が開いてしまった

・何これ台無し…終わった…と思ったら、鉄道のレールの上でタップ、そして音が鳴る、鉄道の走行音みたいに…!!何これ楽しい!!!!

・そのまま列になって橋の上を踊りながら渡るシーン!!!!!

・これ最高では…!?!?ここ予告で推すべきだったのでは…!?!?

・結論:予告では恐るべきステルス性を見せてたくせに、スキンブルナンバーめちゃくちゃ良い!!!!

・あーれーって歌い終えた猫たちが不憫な消え方を…! 

 

◇マキャヴィティナンバー

・ボンバルリーナ、がっつりマキャ側…

・ディミは…?

・マタタビパワーにやられる猫たちかわゆす

・マ ッ チ ョ マ キ ャ ビ テ ィ

・なんか…下履いてほしい…

  

◇ミストナンバー

・タガーさん、まさかのモブ化

・ミストが自身で自分を鼓舞しながら歌う感じの解釈

・おどおどミスト、励ますヴィク、ラブの空気

・リピートで励ますのめっちゃ良かった、友情努力勝利

・長老召喚は舞台版よりも分かりやすいかも…!

 舞台→ミスト本人だけ失敗してるかもしれないと思いおどおどしてからの喜び、ミストが何故背を向けてるか観客に考えさせる

 映画→失敗と思いきや実は成功してて皆同時に喜び、観客も成否が分からない

・手品の精度が低い→召喚場所をミスる展開、にするために微妙なあわてんぼうキャラ設定付けたのかな?

・タガーさんの「マージカル!ミーラクル!」待ってたのに超静か…(悲)

  

◇船の上 

 

 

 

・必殺技「ファイヤーフローフィードル」…!!!!!(全世界が衝撃) 

 

…何も言うまい 

 

 

 

◇メモリー

・ヴィクがグリザベラ招き入れる時、既に“タッチ”してる

・メモリー2回とも撮り方が『I Dreamed A Dream』だよね…


Les Misérables (2012) - I Dreamed A Dream Scene (1/10) | Movieclips

 

・涙と鼻水ダブルパンチはやりすぎだろ……

 

・「トゥアッチミィィィ!!!!」

脳内千鳥ノブ「クセがすごい!」

 

 

 

デュト様 “You are the Jellicle Life(ニュアンス).”

グリザ “Thank you.”

 

 

いや、サンキューて!!!!!

 

情緒!!!!!!!!!!!

 

・(感情を読み取らせる演技とかさ…!)(分かりやすいのは確かだけどさ…!)

・タッチしていく儀式は特に無しだった気がする…

 

◇天上への旅

・「ラッセル・ホテル」は訳拾うんかーい

・シャンデリアで昇っていく、美しい… 

・マキャの小物臭がすごい…犯罪王の名が泣くぜ…

 

◇ご挨拶

・夜明け

・まさかの急に直接語りかけ…!

・いや、人間宛てでそりゃ合ってるけど、ここまで折角"観てる人たち"という存在を作らずにやってきたのに…!?

・ぼそぼそ長老

・キー無理しとるやん、何そこ下げてんねん

・最後の女声高音が迫力無くてショック…ジェリロちゃん(四季)が恋しい…

・ヴィクミストデュトマンカスの4匹が頂上に並ぶ違和感

・シャンデリアまだ飛んどる

・なんか…クッパの乗り物みたい…

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クッパクラウン参考画像

 

・「もう、あなたは真のジェリクルキャッツよ(ニュアンス)」

・真のジェリクルキャッツとは…??(宇宙猫顔)

  

感想

・まるで映画みたいな大団円だな!!(映画です)

 悪い敵を倒す…試練を通して友情を育む…偉い人に仲間として認められる…恋愛パートナーに出会う…絶望の夜から希望の夜明け…めでたしめでたし!悪役は2(仮)にも登場しちゃうかも?気になる引きだね!

・映画はとにかくロケーションが変わるという良さがあった!ロンドンの開けた街角の感じは流石CGの力!

・毎回マキャ側の視点が入ることにより、各ナンバーの後に興奮が冷め不安な気持ちになる

 ソロ歌った猫がみんな不憫な最後を迎えていくのがかなしい…逆転劇にカタルシスを置く構成だから仕方ないのかもしれないけど、気持ちよく終わって「音楽って素晴らしい!」って思わせてほしい… 

 

 

キャラクターについて

ヴィクトリア

・ヴィクっていうかシラバブっていうか

・物語世界に迷い込む、世界観の紹介、物事に巻き込まれる、キーとなる行動をする(グリザを招く)、最後に仲間として認められるという物語性…まさに主人公

・呆けた表情があまりにも続くので、2004年映画版『オペラ座の怪人』エミー・ロッサム(クリスティーヌ)を思い出した

 

オールドデュトロノミー

・すごい喋る

・リーダーとして能動的「私の選択に立ち会う?」

・神秘性の薄れ

・「Never」はかっこいい

・おっちょこちょいでお茶目なデュト様を愛してる人にはきついかも

・ていうかメス猫化する必然性はないよね、キャストの都合でしょ

・もっともふもふをくれ

 

マンカストラップ

・毛並みは違うのに顔がちゃんとマンカス顔なの面白いな

・見せ場のマキャファイト…

・兄貴分的な存在感はなし

 

ミストフェリーズ

・ヒーロー的役割に大抜擢…!

・調子乗る感じではなくおどおどしている

・帽子を抱えて自信がない感じを表しているのは分かりやすい

・子猫…?

・「出番ですよ」ガスのADかと思った

・励ましに来た…?

 

グリザベラ

・小綺麗すぎ

・毛並み良すぎ

・若すぎ

・見た目に悲壮感がない

・虚勢を張り、気丈に立ち、過去の栄光に浸っている感じがなく、ただただ辛そう

・下がり眉がなぁ…

・涙と鼻水はちょっと…

 

ラムタムタガー

・存在感薄い……

・ひねくれ者の癖にデュトナンバーやミストナンバーでここぞとばかりに歌割をさらう舞台版タガーが好きです

 

マンゴジェリー、ランプルティーザ、ボンバルリーナ

・毛色を変えてこい、まずはそこからだ

・歌は良かった

 

スキンブルシャンクス

・その服はちょっとどうかと…!

・タップアレンジすごい良いじゃない…!!

 

ジェニエニドッツ

・これはきつい

・目のやり場に困る

・気立てが良く面倒見の良いおばさん猫はどこへ…

・悪口が直接的

 

マキャヴィティ

・しょぼい

・ちゃちい

・負け犬

・ナポレオン of クライムなのに…

・「今迄この世に悪人はいたが どうでしょう マンゴジェリー どうでしょう グリドルボーン こんな奴等はみんな小物」→ブーメラン

・服を脱ぐな 

 

バストファージョーンズ

・卑しい

・大人物ではない

・スパッツ猫

 

ガス

・ちょっと惚けかけた感じはなく、結構しゃんとしてる…

・緊張するんだ?っていう…

・ビジュアルと雰囲気は一番納得できる猫だった

 

グロールタイガー

・君がその生き方で高貴な魂ならそれでいいんだよ…(諦め)

 

ジェリーロラム=グリドルボーン

・まさかの推し猫不在…と思ったらキャストに「ジェミマ」「ディミータ」「ジェリーロラム」「グリドルボーン」の名前がある…な…!?!?

・どれ?どれだったの…!?あっ!そういえば「上のツェーまで出せるのか」「AHー♪」があったな!あれジェリロちゃんか…!!!!

 

全体的に、言いたいのは 

・シンプルに、歌の力が弱い

・猫たち普通に歩かないでほしい

以上。

 

 

舞台と映画の違い

以下、推敲してない書き散らしです。

どちらが良い悪いでなく、違いはどこにあるんだろうっていう思索。

 

キャッツの良さって、音楽やダンスやキャラクターやストーリーの前に、キャッツという芝居小屋の中がサーカスみたいで面白いというのがまずひとつあって、それはもうまさに観劇体験のクローズドな良さ。

だからこそ映画の「キャッツ極上」という煽りがよく分からなかったけど、場面によって次々にロケーションを変えていくという面白さを知り、ああこれは、舞台から切り離されて独自の良さを作ることに成功している、と感心した。

DVD版キャッツは舞台をライブで撮っているわけではなく、でもスタジオに舞台のままを作り込んで映像化しているもので、今回の映画はそれとはまたベクトルが違う、外の空気という良さをキャッツに与えてくれた。

鉄道猫のナンバーが顕著な対比になっている。

舞台版の名演出といえば、それまで舞台装置として点在していた"ゴミ"をあちこちから持ち寄り、走行している列車に見立てる場面。

映画版では、舞踏会の会場を飛び出し鉄道のレールの上を列をなして踊り歩く。その時の開放感たるや。

身体表現と演出で真っ向勝負しにいっている。ここは調理大成功だと思う。

レールを鳴らす足元、駅舎を背にして猫たちが向かってくるレールの先、列がシルエットで並んでいる川側、など、カメラという視点が切り替わるのも映像でしかできないことである。

 

マキャヴィティが猫を攫う時に、舞台版だと<抱えて走り去る>という方法でしか長老を連れ去ることができないけれど、映画だとさくっと魔術で(CGで)消せてしまうのも良かった。

長老が帰還する時も、種も仕掛けもある手品っぽかったのが(どういう経路で帰ってきた少し考えれば丸分かりである)、マージカル!ミーラクル!としか言いようのない形で現れるのもすごく良かった。

 

キャッツは元来ショー要素が強いミュージカルである。

都会の片隅感。人間たちのゴミがどう活用されているか。舞台装置の面白さが楽しさの創出に一役買っている。その点、映画では“見立て”というエンタメを手放している。

スクリーンよりも360度囲まれたシアターの方が臨場感、本物感はある。

どんなによくできた映像でも、真横の通路を何者かが音もなく走ってきて驚くとか、背後に神出鬼没の存在がいる不安感、などという経験を観客にさせることはできない。

 

また、役者の力を感じるのもお芝居の良さである。

人数が限られたカンパニーでキャストを回す面白さ→バストファージョーンズ=アスパラガスの一人二役、マキャやグリザの容姿変貌、ネズミ、ゴキブリ)

劇中役の面白さ→ポリクルドッグとペニキーズというごっこ遊び、アスパラガス=グロールタイガー、ジェリーロラム=グリドルボーンという役者回想劇

 

キャッツというミュージカルには、誰がプリンシパル誰がアンサンブルというのが無く、ちゃんと名前がついている猫たちしかいないはずで、それがジェリクルキャッツの良さだと思うのだけど、映画では何匹いるのかもよく分からなかった。

モブ猫っぽくなってる猫が多いのが残念である。

有象無象猫がたくさんいることで絵面が豪華になっているとは思えなかった。

 

あと、これはクレジットの関係なのかなんなのか分からないけれど、1曲を色んな猫で分けて歌う感じではあまり無くて、基本1匹でナンバーを歌い切る感じなのがちょっと残念。

あの、テイラースウィフト一人で歌わないと曲が売れないとかあるんです…?

 

ガスは本当にそんな凄い役者だったのかな、もしかして老人の誇張した武勇伝だったりするのかな、「見せようか…」で見せた海賊船は、ガス脳内だけの夢だったんじゃないかな、などと考察する余地は映画版にはなかった。

 

舞台キャッツの不思議なところで、最初は「人間が猫とも言えない奇妙な格好をしている」にしか見えないのが、いつのまにか彼らを「猫」として見るようになっている。

それは勿論、あの動物の猫ではない。何故なら猫は服を着ないでしょ。そもそも喋らないし歌わない。

つまり、キャッツはかぎかっこ付きの「猫」。

《人間が演じてる「猫」が人間を演じてる》みたいに見える、ジェリクルキャッツの不思議。

だから、人っぽくていい。「猫」だから。

ジェリクルキャッツのビジュアルは芝居小屋の中で生まれた。ステージの特別性とも言えるかも知れない。

 

映画の見た目は…うーん…まぁぶっちゃけ人。

なんだろ、頭身がちょっと変に見える…。サイズも、周囲の景色に対して大きすぎたり小さすぎたりするように見える。

顔のアレなところは…色々考えたけど、やっぱり鼻。お鼻を猫にしたら大分違ってたと思う。猫のおヒゲを生やすことはできるんだから、お鼻もCGで載せたら良かったのに。

舞台「猫」の衣装で身体のラインが見える作りなのは、ダンサーだから。ダンスシューズを履き、レオタードを着る。それが「猫」の衣装。(何度も言うけど、猫はダンスシューズを履かない)

なんでみんなもっともふもふにしなかったのかな…毛を動かすとCGが大変だから?猫の品種も、せっかくだからもっとバラバラにしたら良かったのに。

でもあれだな、映画から入った人は既存キャッツの造形にビックリするんだろうな。

 

人としての顔がすごく前面に出てるのは人種への配慮もあるのかな?

めっちゃアジア人顔の猫が居るなって最後辺りで気づいて、エンドロールでイダ・サキさんって肩のお名前を見つけたけど、「猫」メイクだったらたぶん気づかなかった。

そういうバックボーンを“塗り潰さない”という意図なのかなぁ…考えすぎ?

ということで、人としての部分、ただの猫としての部分(ミルク、ゴキブリ)。

そのバランスがうまくとれているのが原作猫や舞台猫の造形なんだと改めて思った。

 

“ジェリクルムーン”があまり映らないのがさみしい。舞台キャッツが大切にしてきたシンボルだと思うから。ラスト夜が明けてるのは「夜明けとともに」だからこれで良いのかもだけど。

   

エンディングソングが『Beautiful Ghost』だけじゃなく、ちゃんと♪ダラララララララダラララララララから始まるジェリクルボール(カーテンコール仕様)とメモリー(ぶつ切りだけど)なのは嬉しかった!

これで悲願であるカテコ曲が音源で手に入るのね…!とサントラ調べたら、いや収録されてないんかーい!!!!!!

 

まとめ

猫には猫の誇りが、犬には犬の誇りがあるよね!

舞台版ミュージカルとは違うキャッツの良さを引き出してくれて、劇場の良さ・映画の良さを改めて教えてくれて、映画版キャッツありがとう!

映画を観てキャッツ楽しいと思ってくれた人は是非劇場にも足を運んでくれよな!

 

 

 

おわり

 

キャッツ - サウンドトラック

キャッツ - サウンドトラック

  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: MP3 ダウンロード