個人的な、恨みごとのひとりごとです。
ことわざでいうならば、まさに「青天の霹靂」だった去年の10月18日が忘れられない。
その日は金曜日だった。私は東京にいた。
安田章大主演『忘れてもらえないの歌』観劇のための遠征だった。
朝、夜行バスで到着し、昼公演を観た。劇場の近くで夕食を調達し、宿に向かった。
訪日バックパッカー向けの、安宿のドミトリーだった。だけど広くて、空いていて、プライバシーも確保されていて、お風呂もついていて、快適だった。
演劇の感想で頭はいっぱいで、何もかもを言葉にしたいけれど睡眠不足の身体は疲れていて、翌日のマチソワ3時間半×2に備えて早く寝ようと思っていた。
くつろいでいた。幸せだった。
立てた計画の、その中にいた。
その時だった。
あまりにも非情な、金曜22時のお知らせがあった。
まず目にしたのは「ベストアルバム発売のお知らせ」だった。
新しい動きに心は湧き立ち、しかし何のきっかけで?と訝しんだその数秒後に答えはあった。
カントリー・ガールズ 活動休止のお知らせhttps://t.co/kYJUjrJJ1S#country_girls #カントリー・ガールズ
— カントリー・ガールズ (@countrygirls_uf) 2019年10月18日
心臓はとまった。
どういうこと?ってなった。
そして、活動休止のお知らせなんかじゃなくて、何もかもの終わりだと、わかった。
衝撃から軽く30分は、涙が出なかったのを覚えている。
その後は、涙が止まらなかったのも、覚えている。
胸が痛くて、痛くて、痛くてたまらなくて。もう、本当に、今ここで消えてしまいたいと思った。
今、東京にいる因果も呪った。赤羽橋まで行ってやろうかとも思った。
2段ベッドの中で、声を押し殺して泣いた。
カーテンから、仕切りの隙間から、泣き声が漏れないよう必死だった。
だって今日は、あとはもう寝るだけだった。
何ヶ月も前からチケットをとって予定を立てて、遂行するだけの日だった。
遠征というエンターテインメントの中に身を投じてた。ただひたすら物語に浸りたい日だった。
ぶち壊しにされた。
あまりにも突然の、降って沸いた不幸だった。
天災のようだった。
そんな忘れられない日からもう1年が経とうとするなんて、時の流れが早くて信じられません。
その後どれだけ愛を注げたかとか、それだけの笑顔を残していってくれたかとか、そういう「良い思い出」でも払拭できないままの、あの日の痛みでした。
翌日、折角の遠征だからと食べた好物も、美味しいのにちっとも幸せになれないあの空虚も、心が崖から這い上がれない観劇も、全部全部覚えてる。